スイッチの入るガンバ、スイッチがない浦和

取り急ぎ雑感を…

遠藤はエクセレントな選手である。
そして浦和にとっては絶対に点を取られたくない選手でもある。

前半は本当にボールデッドが少なく互いに集中した試合であった。
浦和は素早いチェックで素晴らしい守備を見せ
ガンバはセットプレー以外はあまりいいところを見せられなかった。
それはホームとアウェイの関係であり、
浦和の方が飛ばしていたとも言える。
実際何度かの決定機がありながら逃してしまった。

後半早々ガンバが先制する。
起点と終点は同じ選手、遠藤が演じる。
中盤で球を捌いた後、
ガンバのパスワークにボールウォッチャーになった
浦和の守備陣の目を盗み、
後方からスルスルと上がりラインの裏を突く。
スペースを完璧に攻略され、流し込まれる。
この大きい歯車のスイッチを入れたのは遠藤だ。

問題はその後。
浦和に変化がないことだ。
ビハインドを追い是が非でも点を奪おうとする活力がチームとして見られなかった。
選手個々の活動量が大きく落ちた訳ではない。
サボっている選手が見受けられる訳でもない。
しかしスイッチは入らない。
浦和に遠藤がいないとも言える。
しかし私が言いたいのは、
浦和の選手に得点をもぎ取るという強い意志が感じられないのだ。

若返ったはずのチームに若さ＝勢いが見られないのは何故か？
忠実すぎるのかも知れない、フィンケの目指すサッカーに。
同じリズムで頑なに、愚直にパスを繋ぐ姿勢は
時間と共に脅威が削がれていく。
宇佐見は強引ともいえるシュートを何本も放った。
元気はシュートチャンスにパスを選択した。

もっと急いでいい、もっと強引でいい。
ロングボールを蹴ってもいい、ロングシュートを撃ってもいい。
もっと勢いがあっていい。
ブンデスを席巻するドルトムントを観るとそう思う。