名古屋の失点の証言

ゲキサカの記事が面白い。

「スコア以上の完敗だった名古屋MF小川「このままだと優勝は程遠い」 から引用。

証言1.ピクシー「田中隼磨がいるべき位置に藤本がいた。」

証言2.藤本「中央に絞っていた田中は本来の位置に戻って自分を前に出そうとしたが、ダニエルがストップをかけた。」

証言3.記事「ヤキモフスキーがトップ下を離れ、矢野と並び2トップのようになったため中央で枚数が足りずに田中が絞らざるを得なくなった。」

得点シーン






啓太から縦パスが出て興梠がトラップする前の画像。
この時の名古屋ディフェンスラインは4人。奥から阿部翔平、増川、ダニエル、間が空いて藤本。
田中はラインより前にいる。5バック気味だったのだろうが、ボールをもらいに一瞬下がった元気に引きつられたためラインにギャップが出来、そこに興梠から宇賀神へスルーパスを通された。

一人気を吐いたヤキモフスキーは前半と同じようにボールホルダーに対しプレッシャーを掛けにいったが、チーム全体の足が止まったため浦和に圧され始めた。後半始まって何度か右サイドの裏を突かれたため藤本は宇賀神に付かざるを得なくなった。そのため中盤のエリアを小川、ダニルソン、中村で見ることになるが浦和の選手は中盤にいない。最終ラインの不用意な高さはヤキモフスキーがプレスに行くため間延びしないようにだろうが、前から獲りにいかない(いけない)ために裏のスペースを攻略された。

浦和視点で観れば、啓太の縦パスが素晴らしい。名古屋の前の5人を置き去りにしている。反対に言えばダニルソンと中村は中盤に下がってきた元気をケアするわけでもないのに何故そこにいたのだろうか。名古屋の3ラインは浦和の2ラインに骨抜きにされてしまった。

証言3はヤキモフスキーが啓太をケアすべきだったと読み取れるが、前半から浦和のCB(特に森脇)にプレッシャーを掛けていて、むしろ名古屋のボランチが主にケアしていたはずだ。中盤のフィルターがあったからこそ効いたヤキモフスキーのサイドやバックへの追い込みは、フィルターが無くなったことで効かなくなった。運動量が落ちリトリートすべきだったのだろうが、コンセンサスを図る前に崩されてしまった。

一番しっくりくるのはピクシーの証言だ。単純に田中隼磨のスピードがあれば凌げた可能性があり、それを4バックの文脈で簡潔に言い表している。この試合の名古屋の攻撃を考えれば、得点の可能性はショートカウンターぐらいしか見いだせなかったからこそのハイプレスなのだろうが、先に足が止まったことで必然に帰することになってしまった。

原因は走れるチームと走れないチームの差か、はたまた走らせたチームと走らされたチームの差か、どちらだろうか?

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