フィジカルと運動量の相関 【J1データ】



目次


  1. 運動量のファクター
  2. チーム別平均身長、平均体重
  3. 走行距離順位とその他指標との比較
  4. 運動量との相関
  5. 散布図と回帰曲線


運動量のファクター


運動量は質量×速度で求まることから、質量に比例する。
また、速度は距離の時間微分であるので、距離に比例し速度は大きくなる。

よって走行距離と体重は、運動量を決める重要なファクターである。

ここでは、第6節までチーム別の平均走行距離と平均体重や平均身長を用いて、運動量との相関を調べる。尚、データはJ公式ページのデータを用いた。また、J3にU-23チームを保有する3チーム(FC東京、G大阪、C大阪)はその分選手も多いが、それを含め平均を取った。

チーム別平均身長、平均体重


3つ目のデータは平均体重を平均身長で割ったデータの比較。1cm当たりのkg数である。身長が低く体重が重い程、数値は大きくなる。質量が重要であるため、その質量を強調する値として算出した。




身長は、札幌、清水、甲府、新潟あたりが高い。低いのは、浦和、大宮、広島である。

体重は、新潟、札幌、清水、川崎の順で重い。軽いのは、横浜FM、G大阪、C大阪。

体重/身長比は、新潟、浦和、川崎がトップ3である。

J3でリザーブチーム有する大阪の2チームはU-23の選手のためか体重が軽いが、FC東京はあまり影響が出ていないため、ユース含めフィジカルを重要視するチームか否かの違いかもしれない。大阪の2チームは身長は低すぎというわけでもなく、後で示すが身長と体重は比例しているため、それなりにトップチームを表しているように思う。

浦和は身長が低く割に、体重は重い。ここら辺の数値はフィジカルコンタクトの強さを表すかもしれない。

走行距離順位とその他の指標との比較


下は第6節までのチーム別走行距離とその順位である。その下に、運動量、平均身長、平均体重、体重/身長比と続く。分り易くするため、全て走行距離順にチームを並べてある。

ここでの運動量は1試合平均走行距離と平均体重を用いた近似値。チーム比較のための相対的な値である。







運動量との相関


下は相関係数のグラフ。走行距離と(身長、体重、体重/身長比)、運動量と(身長、体重、体重/身長比)、走行距離と運動量、身長と体重、運動量と身長/体重比の順となっている。

走行距離と(体重、体重/身長比)は相関しないが、身長は緩く相関している。足の長さは走行距離と比例するからだろう。身長と運動量が相関するのは、身長と体重が比例するからだ。体重や距離はもちろん運動量と比例するが、相関が強いのは距離の方だ。

身長/体重比は、体重/身長比の逆数である。身長が高く体重が軽いほど数値は高くなる。逆数なので、体重/身長比・運動量とは正反対に逆相関となる。



散布図と回帰曲線


最後に散布図を示す。上のグラフで相関の低い「距離と(身長、体重、体重/身長比)」を除いた個別の散布図である。

(身長・運動量)、(体重・運動量)、(体重/身長比・運動量)、(距離・運動量)、(身長・体重)、(身長/体重比・運動量)の順。








以上から、体重はもちろん、身長も運動量と相関する。


運動量の算出方法はこちら

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