スポーツ新聞の存在意義

20億人が視聴するとされる
世界最大の自転車ロードレース”ツール・ド・フランス”が
26日、アルベルト・コンタドールの3連覇で幕を閉じた。

主催はフランスの大企業・アモリ・スポル・オルガニザシオンで、
傘下にレキップ(スポーツ新聞)やパリジャン(一般紙)などを抱える。

1903年から開催され、100年以上の歴史を持つこの大会は、
レキップ紙の前身であるスポーツ新聞社・ロトが発行部数を増やす為の宣伝として
当時の編集長アンリ・デグランジュが企画したのが始まりである。

サッカー界の一大イベントであるチャンピオンズ・リーグの前身
ヨーロッパ・チャンピオンズクラブカップも
スポーツ新聞社「レキップ」の発案により1956年から始められた。

スポーツを報道する新聞社自身で
世界最大のスポーツイベントを2つも創り上げたのは
素晴らしい偉業である。

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日本のスポーツ新聞は
「スポーツやゴシップ・芸能・レジャーなど、娯楽関連のニュースを中心として発行する新聞を言う」だそうだ。

日替わりのスターとスキャンダルを欲し、
スポーツの文化的価値や存在意義を見出そうとしない単なるゴシップ紙が大半である。

スポニチ 浦和5戦ぶり快勝!宇賀神がJ1初ゴール
以下一部抜粋
”ブルキナファソ代表歴を持ち、独裁的な指揮官
フィンケ監督の肝いりで今季ケルンから加入するも、ここまでは無得点。”

報知 夏の連敗止めた…浦和
以下一部抜粋
”ただフィンケ監督は、「今は土台を作っているが、これだけ長い時間がかかることに怒りを感じる」と、
なぜか自らの手腕に疑問を呈した。”

試合を冷静に分析し、的を射た批判をすることなどはできない。
稚拙な文章と取材のできない恨みという勢いを借り、
殴り書けば、スポーツ記者になれるらしい。

フィンケとメディアの関係はやはり良好とは言い難いようだ。
勿論フィンケの意向はあるにせよ、
クラブの姿勢もメディアへの冷遇は変わらない。
先日、ツイッターでサッカー批評の記者が
浦和に取材を断られたと発言していた。
監督だけでなく代表にも断られたらしい。

クラブ自体が自身のサイトから情報を発信していることにより
外部メディアからの批判もあるのだろう。

確かに情報の秘匿性と発信時間をコントロールでき、
クラブ自体にとって有益であるにせよ、
やはり情報の一元化は免れないように思う。

ウラマガが面白くないとかw

それでも、的確な批判や建設的な意見を述べることの出来ない
外部メディアに取材させることよりマシなのかも知れない。

残念なのは、日本に”レキップ”が存在しないことである。